訳あり不動産でも売却は可能!売れない土地や物件を高く売るコツは?

訳あり不動産でも売却は可能!売れない土地や物件を高く売るコツは?
執筆者: 中西孝志

はじめに

訳あり不動産と聞くと「売れない」「値段がつかない」といったネガティブなイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、実際には訳あり不動産でも売却は可能です。

最近では、訳あり物件の専門業者や不動産買取サービスが充実しており、活用次第では高値での売却も狙えます。

本記事では、訳あり不動産を高値で売る方法と買取業者の選び方を解説します。高く・早く売るためのコツを押さえて売却の準備を始めましょう。

第1章 訳あり不動産とは?

訳あり不動産とは、その不動産に何らかの欠陥や問題があり、売れにくい状態になった不動産を指します。例えば、老朽化が進んで安全性に不安がある建物や雨漏りやシロアリ被害が放置された住宅、事故や事件の履歴がある事故物件などが訳あり不動産にあたります。

通常の不動産売却は、需要のある物件であれば比較的スムーズに進むケースがほとんどです。しかし、訳あり不動産は購入希望者にとってリスクや手間があると判断されやすく、一般的な不動産に比べて売却が難航しやすい傾向があります。

しかし、問題の内容や程度によっては必ずしも「売れない」わけではありません。

まずは、訳あり不動産の特徴を見ていきましょう。

1-1 「訳あり」と判断されやすいケース

訳あり不動産とされるケースには、以下の3つの事情が挙げられます。

物理的要因接道義務を満たさない、老朽化が進んでいる建物など
法的要因共有名義や借地権、抵当権・差押えなどの権利関係が複雑なもの
心理的要因事故物件、自殺・孤独死があった、事件が発生した履歴があるなど

当てはまる不動産は、市場での敬遠対象となりやすく、査定額が下がったり、売却までに時間がかかる傾向があるため注意しましょう。

では、それぞれの要因を詳しく解説します。

1-1-1 物理的な訳あり物件

物理的な理由による訳あり物件とは、接道義務を満たしていない土地(再建築不可物件)敷地内に擁壁や傾斜地があるため工事が困難といったケースのことです。

また、築年数が極端に古く、建物の劣化が進んでいる場合も、購入者がリフォームや解体の費用を懸念して避ける傾向にあります。

物理的な訳あり物件は、工事や撤去によって改善できることもあるため、内容によっては買い手が見つかる可能性も十分あるでしょう。

1-1-2 法的な訳あり物件

不動産にかかる権利関係が複雑なケースも「訳あり」とされる理由です。

例えば、共有名義での所有や借地権付き物件、抵当権や差押えの登記が残っている不動産などが該当します。権利関係が複雑なケースは、売却前に調整が必要な場合が多く、専門知識が必要となるため通常の仲介では敬遠されがちです。

不動産の法的な問題を扱い慣れた専門業者であれば、権利整理や手続きの代行を行ってくれることもあるため相談するとよいでしょう。

1-1-3 心理的な訳あり物件

自殺や事件、孤独死などで人が亡くなった不動産は、事故物件心理的瑕疵物件と呼ばれます。法律上では「心理的瑕疵がある場合は告知義務がある」とされていますが、購入者の感じ方はさまざまです。

そのため、物件の価格が相場より大きく下がることも珍しくありません。一方で、価格重視の投資家や心理的瑕疵にこだわらない層も存在するため、売却先を選べば十分売れる可能性もあるでしょう。

1-2 訳あり不動産でも売れないわけではない

「訳あり」と聞くと「売れない」と思い込んでしまいがちですが、実際にはそんなことはありません。近年では訳あり物件を専門的に取り扱う業者や投資家も増えており、適切な方法と売却先を選べば、十分に売却は可能です。

むしろ、条件によってはスピード売却や即現金化が可能なケースも多く「早く売りたい」「管理が難しい」などの事情を抱える売主にとってはメリットになることもあります。

必ずしも「訳あり=価値がない」と決めつけず、柔軟な視点で売却戦略を立てましょう。

第2章 訳あり不動産でも売れる!売却する方法は?

訳あり不動産は、通常の仲介販売以外の方法を活用することで、スムーズに売却できるケースが増えています。

では、訳あり物件の売却におすすめの方法をご紹介します。

2-1 不動産買取業者へ直接売却する

もっとも一般的な方法が、不動産買取業者への直接売却です。

仲介を通さずに不動産買取業者へ直接売る方法で、最短数日から1週間で現金化できるスピード感が魅力です。再建築不可や空き家、老朽化物件などを扱う業者が増えており「一般の買い手がつかない物件」でも問題なく買い取ってもらえる可能性があります。

価格は市場相場よりも下がる傾向がありますが、管理負担や固定資産税から解放されることを考えると、早期売却のメリットは大きいといえるでしょう。

2-2 訳あり不動産の専門業者に依頼する

訳あり不動産を専門に取り扱う業者に依頼する方法もあります。

訳あり不動産の専門業者は、心理的瑕疵物件や法的トラブルを抱えた不動産に対して豊富な経験とノウハウを持っています。そのため、一般の仲介業者では難しい交渉や契約手続きも代行してくれることが多く、売主の負担が軽減されるでしょう。

また、売却だけではなく相続や登記に関する相談に対応している業者もあり、幅広く対応してくれる点も大きなメリットです。

2-3 オークションに出す

不動産オークションへの出品も近年注目されています。

訳あり物件であっても、物件の詳細を明記したうえで競りにかけることで、価格重視の買主に見つけてもらえるチャンスが増えるでしょう。

特に、投資目的の買い手の場合、心理的瑕疵や多少の物理的リスクは気にされにくいため、買い手が見つかりやすい傾向にあります。ただし、落札価格が希望額を下回る可能性もあるため、最低希望価格の設定など注意が必要です。

第3章 訳あり不動産の買取業者の選び方

訳あり不動産を売却する際、どの買取業者を選ぶかは重要です。業者の対応や査定方法によって、売却価格やスピードに大きな差が出るため、慎重に見極めなければなりません。

では、失敗しない買取業者の選び方を解説します。業者選びを誤ると大幅に損をすることもあるため、丁寧にチェックしておきましょう。

3-1 買取実績が豊富な買取業者を選ぶ

訳あり不動産は、一般的な物件よりも査定や取り扱いが難しいため、実績のある業者を選ぶことがおすすめです。

特に、事故物件や再建築不可物件、共有名義の不動産など特殊なケースの買取実績がある業者であれば、柔軟な対応が期待できます。

複数の実例の公開は、実力や対応力の裏付けとなるので、確認を怠らないようにしましょう。

3-2 即日査定・即現金化が可能かチェックする

訳あり物件は、維持費や固定資産税の負担、近隣トラブルなどできるだけ早く手放したい事情があることも珍しくありません。そのため、即日査定や最短数日での現金化が可能な業者を選ぶと、売却がスムーズに進む可能性が高まります。

スピード対応が可能な業者は、社内に専門スタッフが常駐し、手続きもワンストップで完結できることが多いため、選ぶポイントにするとよいでしょう。特に、査定から契約、決済までの流れが明確にされている業者がおすすめです。

3-3 悪徳業者を避ける

訳あり不動産の分野では、残念ながら悪徳業者の存在も報告されています。

相場より極端に安い価格を提示し、買い叩こうとするケースや、不必要なリフォームを要求するなど、売主の知識不足につけ込む事例も少なからずあります。

こうした悪徳業者を避けるためには「宅地建物取引業者免許番号」の有無を確認することが基本です。加えて、会社の登記情報や問い合わせ時の対応、GoogleレビューやSNSでの口コミ評価などもチェックし、不安があれば即決しないことが重要です。

特に初回対応時の丁寧さや説明内容は、信頼できる業者かどうかを判断する大きな指標になるため慎重に進めましょう。

第4章 訳あり土地を売却するために準備すること

訳あり不動産をスムーズに売却するためには、事前準備が重要です。準備を怠ると査定額が下がるだけではなく、契約がまとまらなかったり、トラブルの原因になることもあります。

では、訳あり土地を売却するために準備することを解説します。早い段階で準備を丁寧に行って、希望額での売却を目指しましょう。

4-1 境界と地目を確認する

土地を売るうえで、まず確認しておくべき2点が「境界」「地目」です。

境界が不明確なままだと、買主がトラブルを懸念して購入をためらう原因になります。境界標の確認や、隣地所有者との立ち会い測量を済ませておくと売却の際にスムーズです。

また、宅地や雑種地、農地など地目によっては転用許可が必要な場合もあるため、行政機関への相談も検討しましょう。測量士や土地家屋調査士に依頼すると、より安心です。

4-2 登記簿謄本を確認する

不動産の権利関係を確認するために、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することも必要です。共有名義や抵当権、地役権などが設定されていないかを事前にチェックしておくことで、売却時のトラブルを回避できます。

古い所有権が残っていたり、相続登記が未了であるケースは売却に向けた手続きに時間がかかるため、早めに対応を行いましょう。

4-3 査定時に準備すべき書類を揃える

スムーズな査定・売却のためには、必要書類を事前に揃えておくことが大切です。

具体的には、以下の必要書類があります。

  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 固定資産税納税通知書または評価証明書
  • 建物図面や間取り図
  • 購入時の契約書や重要事項説明書
  • 境界確認書や測量図(可能であれば)

書類を揃えておくことで、信頼性が高まり、買主との交渉も円滑に進みやすくなります。可能であれば、書類一式をファイル化して提示できるようにしておくと、スピード査定にも有効です。

4-4 不動産会社と入念に打ち合わせする

訳あり不動産の売却は、不動産会社との連携が重要です。

打ち合わせでは、物件の状況や問題点を正直に伝え、どの売却方法が最適かを検討しましょう。事前にリスクを共有しておくことで、トラブル発生時の対応もスムーズになります。

訳あり物件に強い会社を選ぶことで、販売資料や告知文の工夫など、付加価値を高める提案も行ってくれる可能性も高いでしょう。

第5章 訳あり不動産を高く・早く売るためのコツ

訳あり不動産であっても、売却の仕方次第で「高く・早く」売ることは可能です。

どんな物件でも、見せ方や伝え方で印象は大きく変わるため、できるだけ有利な条件で売却するには、適切なタイミングと売り方がポイントとなります。

では、訳あり不動産を少しでも有利に売却するためのコツを紹介します。

5-1 不動産の売却は早めに動く

訳あり物件の売却は、早めに動くことが結果的に高く売るためのコツです。

時間が経過するほど物件の劣化が進み、管理費や固定資産税などのコストも増加するため、早期に売却を検討することで、選択肢が増え、よい条件で売れる可能性も高まります。

また、行政の制度改正やエリアの再開発など、今後の市場動向を見越してタイミングを図ることも重要です。売却が決まっている場合は、先送りせず、まずは動き出しましょう。

5-2 複数社に査定依頼し相見積もりを取る

訳あり不動産の価格は、業者によって大きく異なることがあります。

査定額に数百万円の差が出ることもあるため、手間を惜しまず複数の業者に査定を依頼し、相見積もりを取ることがポイントです。ただし、中には強引な営業をかけてくる業者もあるため、対応の丁寧さや信頼性も評価の基準にしましょう。

また、価格だけではなく、契約内容やアフターサポートも比較することで、総合的な満足度が高い取引が期待できます。

5-3 訳ありでも活用価値を伝える

たとえ訳あり物件であっても、その物件にしかない活用価値をしっかり伝えることが、査定額アップのカギになります。

例えば、駅から近い、更地にすれば活用しやすい、投資物件としての利回りがよいなど、特筆したメリットがあれば、買い手にとっては大きな魅力です。

プロのカメラマンによる写真撮影や用途提案付きの資料を作成するなど、販売戦略を立てて早期の売却を目指しましょう。

まとめ 訳あり不動産も売却できる時代!早期対応が成功の鍵

訳あり不動産は、一般的な不動産に比べて売却が難しいとされてきました。

しかし、近年では訳あり物件に特化した買取業者やサービスが増え、売却の可能性は大きく広がっています。「売れない」と思っていた物件でも、正しい知識と戦略を持って行動することで、十分に売却は可能です。

訳あり不動産の売却は、スピードと判断力が求められます。「どうせ売れない」と諦める前に、できるだけ早い段階で行動に移すことが大切です。

売却のタイミングや交渉の進め方次第で、購入希望者の印象も大きく変わるため、プロのサポートを得ながら進めて希望額での売却を目指しましょう。「住まいの賢者」では、司法書士と連携して、不動産の売却や名義変更の相談など一括で対応しています。不動産の売却にお悩みの方は、ぜひ無料相談をご活用ください。

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この記事の執筆者

中西 孝志(なかにし たかし)

中西 孝志(なかにし たかし)

株式会社あんしんリーガル 宅地建物取引士/FP2級技能士/損害保険募集人

約20年の実務経験を活かし、お客様の潜在ニーズを汲み取り、常に一方先のご提案をする。お客様の貴重お時間をいただいているという気持ちを忘れず、常に感謝の気持ちを持つことをモットーとしている。

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