空き家の管理は続けるのが大変!管理できなくなった場合の相談先は?

空き家の管理は続けるのが大変!管理できなくなった場合の相談先は?
執筆者: 杉田悟

はじめに

空き家の管理は、草木の手入れや建物の点検、防犯対策や近隣トラブルの防止など、やるべきことが多く、遠方に住んでいる場合や多忙な方にとっては、大きな負担になります。

思った以上に管理が大変で「自分で管理を続けるのはもう限界かもしれない」と感じたとき、どこに相談すればよいのかお悩みの方も多いでしょう。

本記事では、空き家の管理ができなくなった際の相談先と相談すべきタイミングを解説します。無理に一人で抱え込まず、管理が難しいと思ったら前向きに相談を検討しましょう。

第1章 空き家管理でよくあるトラブルの原因

実際に多くの自治体や専門業者が報告している空き家トラブルの多くは「管理が十分に行き届いていないこと」に起因しています。空き家の管理を怠ると、さまざまなトラブルを引き起こす原因になるため注意しましょう。

では、よくある管理トラブルの原因を解説します。

1-1 点検漏れや契約内容の相違

定期点検を怠ったり、管理会社との契約内容を十分に確認しないまま依頼してしまうと、思わぬトラブルが発生します。

例えば「月に1回の巡回点検」が契約に含まれていると思い込んでいたのに、実際は半年に1回しか点検されていなかった、といったケースです。また、写真報告の有無や清掃範囲など、契約時の確認不足がクレームや不信感につながるケースも多いでしょう。

トラブルを未然に防ぐためにも、契約内容は細かい部分まで把握し、定期的に見直すことが重要です。

1-2 口コミや実績を見ずに悪徳業者に依頼する

空き家管理業者を選ぶ際、インターネット検索だけで安易に決めてしまうと、悪徳業者に当たってしまうリスクがあります。相場より極端に安い料金設定で集客し、実際にはサービスが不十分だったり、清掃や点検を行っていなかったケースも珍しくありません。

トラブルを防ぐためにも業者を選ぶ際は、口コミや利用者の評判、管理実績をチェックしましょう。また、自治体や専門機関が認定している団体かどうかも確認しておくと安心です。

1-3 倒木や不法投棄など管理不足による損害

強風で庭の樹木が倒れて近隣の車や建物を傷つけてしまったり、誰かが敷地にゴミを不法投棄していくなど、こうしたトラブルは、空き家が「管理されていない」と判断されます。

管理不足が原因で損害賠償を求められるケースもあり、将来的に大きなトラブルになりかねません。トラブルを防ぐためにも、定期的な見回りや庭木の剪定、防犯対策など予防的な管理が求められます。

1-4 管理義務を認識していなかった

空き家を相続したものの「誰が管理するのか」「何をすればいいのか」が曖昧なまま放置されるケースもあります。たとえ住んでいなくても、所有者には適切に管理する義務があり、万が一事故やトラブルが起きた場合には責任を問われます。

特に、複数人で共有している物件では、管理の分担や費用負担について明確に取り決めておく必要があります。管理義務を「知らなかった」では済まされないため注意しましょう。

第2章 空き家管理の方法

空き家を放置せず維持するには、自身で対応するもしくは専門業者に委託する方法を検討しましょう。あるいは、管理が難しいと判断した場合は売却を検討する必要もあります。

では、それぞれの空き家管理の方法とメリット・デメリットを紹介します。

2-1 個人で空き家管理をする

費用を抑えたい場合、所有者が自分で定期的に現地に足を運び、建物のチェックや清掃、草刈りや防犯確認などを行うことが基本となります。

実際に、近隣に住んでいる方であれば、自力での管理が可能なケースもあるでしょう。しかし、仕事や家庭の都合で頻繁に訪れるのが難しい方、遠方に住んでいる方にとっては大きな負担となります。

また、冬季の凍結対策や梅雨時の湿気対策など、季節に応じた対応も必要となるため、定期的な管理を続けるには体力・時間ともに求められます。

2-2 空き家管理サービスを利用する

空き家管理サービスとは、定期点検や郵便物の整理、庭木の剪定や雨漏りの確認など、空き家に必要な管理業務を一括で依頼できるサービスのことです。

特に、高齢の方や遠方在住の相続人、複数物件を管理している方など、自分で管理が難しいと感じている場合は、管理サービスの利用がおすすめです。

月1回の点検5,000円前後
月2回以上の点検8,000〜15,000円
オプション追加別途料金(1,000円〜)

料金は月額数千円から数万円程度が一般的ですが、サービスの質や内容は業者によって差があるため、契約前にサービス内容や巡回頻度、報告方法を確認しておきましょう。

2-3 空き家を売却する

今後住む予定がなかったり、維持費や管理費がもったいないと感じる場合は、思い切って空き家を売却することも一つの選択肢です。

空き家をそのまま残しておくと「特定空家」に指定されて土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなる可能性があるため、将来的な活用の見込みがない場合は、費用の負担を抑えるためにも早めの売却を検討しましょう。

空き家買取専門の業者を活用することで、築年数や立地に関係なく売却できる可能性があります。

第3章 空き家の管理について相談が必要なタイミング

空き家の管理が困難になる状況は突然訪れることもあります。

「なんとなく不便だな」と感じた時点で早めに相談しておくことで、大きなトラブルや損失を未然に防ぐことができます。

では、空き家の管理について誰かに相談すべき判断基準やタイミングを見ていきましょう。

3-1 誰が管理責任を持つか曖昧な状態になっている

空き家を相続したものの、兄弟姉妹や親戚など複数人が所有者になっている場合「誰が管理するのか」が曖昧になりがちです。曖昧な状態を放置すると、結局誰も手をつけないまま空き家が放置され、近隣トラブルや行政からの勧告に発展するリスクがあります。

相続が発生した段階、あるいは管理に関する話し合いが難航している場合は、司法書士や専門の相談窓口に早めに相談することをおすすめします。

3-2 遠方に住んでいて管理に通えない

空き家がある場所と自分の住まいが離れていると、定期的な見回りや清掃をすることが困難になります。交通費や時間的コストがかかることで、徐々に放置する時間が長くなり、結果的に建物の劣化や防犯リスクも増す状況になりかねません。

空き家を維持するために管理を第三者に任せるべきか、それとも売却すべきかを専門家に相談しましょう。遠方管理は想像以上に手間がかかるため、我慢せず早い段階でプロの意見を聞くことをおすすめします。

3-3 管理の費用が負担となっている

空き家を維持するには、固定資産税や修繕費、除草・清掃費用など、思った以上に多くの出費が発生します。住んでいないにもかかわらず、維持費だけがかさんでいくことにストレスを感じている方も多いでしょう。

「いずれ住むかもしれない」と思って先延ばしにしていたものの、実際には住む予定がないのであれば、費用が膨らむ前に相談し、対策を講じることをおすすめします。

3-4 管理作業や手入れが負担となっている

年齢や健康状態の変化によって、空き家の手入れや巡回作業が物理的に難しくなるケースもあります。例えば、草刈りや建物周辺の清掃、郵便物の整理など、以前は当たり前にできていたことが、だんだんと負担に感じられるようになってくるものです。

管理作業や手入れが負担となっている状況でも、無理に自力で管理を続けるのではなく、管理サービスや売却を視野に入れ、専門家に現状を相談しましょう。

3-5 空き家に関して近隣から苦情が来た

草木が伸び放題になっている、敷地内に不法投棄がある、建物が老朽化して危ないなどの理由で、近隣住民から苦情や問い合わせを受けた場合はすぐに対応する必要があります。

トラブルを放置していると、近隣との関係性がどんどん悪化し、今後の売却や利活用にも支障が出る可能性が高いでしょう。

状況の改善と今後の対応方針を明確にするためにも、専門窓口への相談が必須です。

3-6 空き家に関して自治体からの指導・勧告が来た

空き家を長期間放置し、危険な状態と判断されると、自治体から「特定空家等」として指導や勧告が行われる場合があります。特定空家に指定されると、固定資産税の軽減措置がなくなったり、最終的には行政代執行で強制的に取り壊されるため注意しましょう。

指導や通知が来た時点で「どうしよう」と悩むのではなく、すぐに専門家や行政の相談窓口へ連絡し、現実的な対策を始めることが求められます。

第4章 空き家の管理が大変な場合の相談先

空き家の管理で困ったとき「誰に相談すればいいのか分からない」との声は多いものです。

空き家に関する相談窓口は、自治体や空き家相談センターなど数多くあり、目的に合わせてそれぞれの視点からアドバイスをしてくれます。

では、空き家管理の負担を感じたときに頼れる相談先を紹介します。

4-1 自治体の空き家相談窓口

全国の多くの市区町村には、空き家対策を目的とした相談窓口が設置されています。

自治体の相談窓口では、空き家の管理方法から補助金制度、解体や売却の支援など幅広いサポートを受けることが可能です。自治体によっては、空き家バンクを通じた売却の支援や、NPOとの連携による管理代行も行っているため、まずは役所に問い合わせてみることが第一歩となります。

住んでいる地域以外の空き家でも、現地自治体の相談窓口を利用できるため、できるだけ早めに動きましょう。

4-2 NPO法人・空き家相談センター

空き家問題に特化したNPO法人や地域密着型の相談センターは、中立的な立場からアドバイスをしてくれる存在です。

管理の方法に悩んでいる方へのアドバイスだけではなく、相続や権利関係、活用方法など複雑な事情の相談も可能なため、どこに相談したらよいのかわからない方にもよいでしょう。

また、費用がかからない場合も多く、民間の専門業者よりも気軽に相談できる点もメリットといえます。地域によって活動内容が異なるため、事前に取り扱い分野や対応範囲を確認しておくと安心です。

4-3 司法書士や弁護士などの専門家

空き家が相続や権利関係に絡んでいる場合、あるいは共有者と意見が合わない場合は、司法書士や弁護士など専門家への相談がおすすめです。

相続登記の未了や固定資産税の名義変更、売却時のトラブルなど、法的な手続きが発生する場面では、第三者である専門家の助けを借りることで円滑に解決できます。

初回相談が無料の事務所も増えているので、まずは無料相談を行っている専門家を探して問い合わせするとよいでしょう。

第5章 空き家の管理ができない場合は早めの売却がおすすめ

空き家の管理が難しい、あるいは今後も活用の予定がない場合、放置しておくよりも早めに売却することをおすすめします。

空き家は放置するほど資産価値が下がり、維持費や税金だけがかさむため、結果的に大きな損失になりかねません。

売却することで管理の手間や費用から解放され、他の資産活用や生活費に充てることができるため、長期的な視点でも早めの売却は合理的な選択肢といえるでしょう。

特に近年は、空き家の活用に関心のある投資家や企業も増えており、リフォームやリノベーション前提で購入するケースも多く見られます。老朽化していても、立地や土地としての価値が評価されることがあるため、あきらめずに査定を受けてみることが大切です。

5-1 売却先は信頼性で選ぶことが重要

空き家を売却する際に注意すべきポイントとして「とにかく早く買い取ります」と謳う業者への安易な依頼です。確かに即金で買い取ってくれる場合もありますが、相場より大幅に安い価格での取引となることが多く、後悔につながるケースも珍しくありません。

売却先を選ぶ際は、過去の買取実績や口コミ、対応の丁寧さ、契約内容の透明性などを確認し、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。

特に、空き家専門の買取業者や空き家バンクと連携している不動産会社は、空き家に特化した知識や販売ルートを持っているため、より適正な価格での売却が期待できます。

また、複数社に査定を依頼し、相見積もりを取ることも重要なポイントです。より納得感のある価格と条件での売却を目指すためにも比較して売却先を選びましょう。

まとめ:空き家管理は放置しないが正解!専門家に早めに相談しよう

空き家の管理は、点検や掃除、防犯・防火対策など、思っている以上に手間とコストがかかります。空き家を放置することでさまざまなトラブルの火種になり、法的責任や税金の優遇措置の喪失などのリスクにつながりかねません。

「誰が管理すべきか分からない」「管理に通えない」「費用や手入れが負担」と感じたら、それはすでに相談すべきタイミングです。無理に一人で抱え込まず、自治体の窓口や空き家相談センター、専門家など状況に応じた相談先に早めにアクセスしましょう。

また、管理の継続が難しいと感じたなら、売却も解決策の一つです。放置すればするほど資産価値は下がってしまいますが、早い段階で動くことで、よりよい条件での売却も可能になります。空き家問題は「先送り」が一番のリスクです。将来のトラブルを回避するためにも、今できる一歩を踏み出しましょう。「住まいの賢者」では、司法書士と連携して、不動産の売却や相続登記の相談など一括で対応しています。不動産の活用にお悩みの方は、ぜひ無料相談をご活用ください。

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この記事の執筆者

杉田 悟(すぎた さとる)

杉田 悟(すぎた さとる)

株式会社あんしんリーガル 宅地建物取引士/管理業務主任者/競売不動産取引主任士

長年の実務経験を持ち、特に相続や不動産登記に関する専門性が高い。一般の方にも分かりやすく、正確な情報提供をモットーとしている。

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