資産や貯蓄を活用して、不動産オーナーとして安定収入を得たいと考える方は多いでしょう。
不動産オーナーになるには、物件の選定から資金調達や管理方法の決定まで、さまざまなステップを経る必要があります。
この記事では、不動動産オーナーになるために必要な基礎知識から初期費用、リスク対策まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
これから不動産オーナーを目指す方、相続物件の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
第1章 不動産オーナーになる前に知っておくべき基礎知識
不動産オーナーになるには、ただ物件を購入すればよいわけではありません。
ここでは、不動産オーナーとしてのスタートラインに立つために必要な基礎知識を紹介します。
1-1 不動産オーナーの種類
不動産オーナーと一口に言っても、運用する物件のタイプによってスタイルはさまざまです。
以下に、不動産オーナーの種類を紹介します。
| 一棟物オーナー | アパートやマンションなど1棟まるごと所有し、多くの部屋を貸し出す | 収益性が高いが、初期費用が大きい |
|---|---|---|
| 区分所有オーナー | マンションの1室だけを所有して貸す | 比較的少ない資金で始められる |
| 戸建てオーナー | 一戸建て住宅を貸し出す | 長期間の入居が見込める |
上記以外にも、土地だけ貸して建物は借主が建てる土地オーナーもあります。
どの種類が自分に合っているかは、自己資金や性格、どれだけ管理を負担できるか、または不動産オーナーになる目的によっても変わります。
目的別でみた、向いているオーナーの種類は以下の表の通りです。あなたの場合に照らし合わせて検討してみてください。
| 目的 | 向いているオーナーの種類 |
|---|---|
| 少ない資金で始めたい | 区分所有・駐車場 |
| 管理の手間を減らしたい | 区分所有・土地貸し |
| 将来的に相続税対策も考えたい | 一棟アパート・マンション |
| 空き家を活用したい | 戸建てオーナー |
| 自分のペースで副業的にやりたい | トランクルーム・駐車場 |
| 不動産経営を本格的にやりたい | 一棟オーナー |
1-2 不動産オーナーの年収
年収は物件の規模や場所によって異なります。参考までに、国税庁の令和5年申告所得税標本調査によると、不動産オーナーなど不動産所得者の平均所得金額は約547万円でした。
参考:令和5年分申告所得税標本調査/国税庁
所得金額は、総収入金額からローン返済額や修繕費などの経費を引いた金額です。
ここからさらに所得税・住民税などの税金を引かれるので、その後の金額でいうと約400万円前後になります。
ただし、この金額はあくまで平均であり、実際にはもっと少ない、あるいは多いケースも考えられるでしょう。
一般的な目安でいうと、小規模な区分所有(ワンルームマンション1~3戸所有)では、年収60万円〜100万円前後。マンション一棟などでは数百万円〜数千万円に達するケースもあります。
ちなみに、不動産収入には以下の2種類があります。年収はどちらの方法で収入を得るかによっても異なります。
| インカムゲイン | 家賃収入など、保有中に得られる安定的な収入 |
|---|---|
| キャピタルゲイン | 不動産を売却した際に得られる利益 |
1-3 不動産オーナーの仕事内容
不動産オーナーが物件を自主管理する場合は、以下の仕事を自分で行います。
- 入居者の募集
- 家賃の回収と未納対応
- トラブルや問い合わせ対応
- 退去時の立会いや原状回復
- 建物のメンテナンスや修繕
自主管理する場合、これを行うだけの手間と時間がかかります。管理会社に委託すれば、手間や時間は軽減されますが、家賃収入の3~5%程度が手数料として必要です。
管理会社に委託する以外にも、サブリースという方法もあります。サブリースは管理会社が物件を一括で借り上げて、オーナーには空室の有無にかかわらず保証賃料を支払う契約です。
サブリースは空室の間の賃料も保証するため、家賃収入の10~20%が手数料になります。
1-4 不動産オーナーに必要な資格
不動産オーナーになるには、特別な資格は必要ありません。とはいえ、以下のような資格があると、経営に役立つ知識が得られます。
- マンション管理士
- 宅地建物取引士(宅建士)
- 住宅診断士
- ファイナンシャルプランナー(FP)
資格の取得は必須ではありませんが、不動産オーナーは長期的に見ると知識がある人が有利な傾向にあります。
第2章 不動産オーナーになるための初期費用
不動産オーナーになるには、物件の購入費用やリフォーム費用だけでなく、それ以外にもさまざまな初期費用がかかります。
発生する費用とその目安は以下の通りです。
| 費用 | 概要 | 目安 |
|---|---|---|
| 頭金 | 物件価格のうち、ローンを使わずに自己資金で支払う分。 | 物件価格の10〜20% |
| 融資手数料・保証料 | 金融機関に支払うローン手続きの事務手数料と、保証会社に支払う保証料。 | 借入額の2〜5%程度 |
| 登記費用(登録免許税・司法書士報酬) | 物件の所有権やローンの抵当権を登記するための費用。登録免許税と、その手続きを代行する司法書士への報酬が含まれる。 | 物件価格の1%程度+5万〜15万円(司法書士報酬) |
| 印紙税 | 売買契約書や金銭消費貸借契約書に貼る収入印紙代。 | 契約金額に応じて1万〜数万円 |
| 不動産取得税 | 不動産を取得した際に一度だけかかる都道府県税。 | 固定資産税評価額の1.5〜4%程度(軽減措置が適用されることが多い) |
| 空室や修繕に備えた予備費 | ローン返済や管理費・税金支払いに加え、急な空室や設備の故障・大規模修繕に備えるための資金。 | 家賃収入の10〜20%(年間家賃収入の1年分など) |
不動産購入費や建設費については、空き家か新築か、戸建てかマンションかなどによって大きく変わります。
リフォーム・リノベーション費用についても、建物の劣化度合いによって費用の差が出てくるでしょう。
2-1 不動産購入費や建設・リフォーム費用は融資を受けて行うのが一般的
不動産の購入費用やリフォーム費用には、一般的に金融機関で受けた融資を充てます。
融資を申し込む際は、複数の金融機関を比較し、返済計画をしっかり立てることが大切です。
物件収入で返済ができるか、または万が一の空室でも返済に支障がないか、契約する前に資金繰りのシミュレーションを必ず行いましょう。
第3章 不動産オーナーになるための7つのステップ
ここでは、不動産オーナーになるための具体的な手順を7つのステップに分けて解説します。
なお、相続で経営中の賃貸物件を得た場合は、STEP⑤以降の内容を参考にしてください。
STEP① 予算や物件の条件を決める
まず、自己資金と融資可能額から投資予算を決定します。その上で、物件の種類(一棟・区分・戸建て)、立地、間取り、築年数など、希望する条件を明確にしましょう。
この段階で、どのような入居者をターゲットにするか(単身者・ファミリー・学生など)を考えておくと、物件選びがスムーズになります。
STEP② 不動産会社や建築会社へ相談する
条件が固まったら、不動産会社や建築会社に相談します。
新築を建てる場合は建築会社に、中古物件を購入する場合は不動産仲介会社に問い合わせましょう。
複数の会社から提案を受けて比較検討することで、より良い条件の物件を見つけやすくなります。
STEP③ 金融機関でローンを申し込む
購入したい物件が決まったら、金融機関にローンの事前審査を申し込みます。審査では、年収や勤務先、自己資金の額、物件の収益性などが評価されます。
審査に通過したら、正式な融資の申し込みを行い、本審査を受けます。
STEP④ 不動産売買契約/建築請負契約を締結する
ローンの承認が下りたら、売主と不動産売買契約を結びます。新築の場合は、建築会社と建築請負契約を締結します。
契約時には重要事項の説明を受け、内容をしっかりと確認してから署名・押印しましょう。契約後は、手付金や中間金の支払いが発生します。
STEP⑤ 不動産の引き渡しを済ませ所有者名義を変更する
建物の完成や中古物件の引き渡し後、残金の決済を行います。同時に、法務局で所有権移転登記を行い、正式に自分の名義に変更します。
STEP⑥ 管理会社に委託するか自主管理するか決める
物件の管理方法を決定します。管理会社に委託する場合は、入居者募集から家賃回収、トラブル対応、建物メンテナンスまで任せることができます。
なお、管理委託料は家賃の3%から5%程度が相場です。
一方、自主管理する場合は費用を抑えられますが、すべての業務を自分で行う必要があります。
STEP⑦ 入居者を募集する
管理方法が決まったら、入居者の募集を開始します。不動産仲介会社に依頼したり、インターネットの賃貸情報サイトに掲載したりして、入居希望者を集めます。
内見の対応や契約手続きを経て、入居者が決まれば、いよいよ不動産オーナーとしての経営がスタートします。
第4章 不動産オーナーに生じるリスクと解決方法
不動産オーナーには、さまざまなリスクが伴います。
ここでは、主なリスクとその対策について解説します。
4-1 ローンのリスク
不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高く設定されているため、返済負担が大きくなります。また、そもそも審査に通らず借入できない可能性もあります。
特に注意が必要なのは、管理費や修繕費などの支出が予想以上にかさみ、現金持ち出しが多くなるケースです。こうした状況が続くと返済が難しくなり、最悪の場合はローン滞納に至る危険性があります。
なお、不動産投資ローンを住宅ローンと偽って申し込む行為は詐欺に該当するため、絶対に避けてください。住宅ローンは自己居住用の物件にのみ適用される制度であり、投資目的での使用は契約違反となります。
対策としては、自己資金をある程度保有しておくことが重要です。物件価格の20%から30%程度の自己資金があれば、融資も受けやすくなり、返済負担も軽減されます。また、空室期間や突発的な修繕に備えた予備費も確保しておきましょう。
4-2 空室・家賃滞納のリスク
入居者が見つからない、または退去後に次の入居者が決まらない場合、その間の家賃収入はありません。立地が悪い物件や築年数が古い物件の場合、特に空室リスクが高くなります。
また、入居者が家賃を滞納するリスクもあります。長期間の滞納が続くと、収入が途絶えるだけでなく、法的手続きにも時間と費用がかかります。
対策としては、物件購入前に周辺の賃貸需要を十分に調査することが基本です。適切な家賃設定や物件の魅力を高めるリフォーム、効果的な募集活動によって空室期間を短縮できます。
さらに、入居審査を厳格に行い、保証会社の利用を必須とすることで、滞納リスクも軽減できます。
4-3 老朽化するリスク
建物は時間とともに老朽化し、修繕費用が増加します。外壁の塗り替えや屋根の補修、設備の交換など、大規模な修繕には数百万円かかることもあります。
対策としては、定期的なメンテナンスによって建物の劣化を抑えること、修繕積立金を計画的に貯めておくことが大切です。
4-4 売却できないリスク
不動産市況の悪化や物件の老朽化により、売却したくても買い手が見つからないリスクがあります。また、希望価格で売却できず、損失を被る可能性もあります。
対策としては、資産価値が維持しやすい立地の物件を選ぶこと、適切な管理によって物件の状態を良好に保つこと、市場動向を常に把握しておくことが重要です。
第5章 不動産オーナーとして成功するのに大切なこと
不動産オーナーとして長期的に成功するには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
5-1 地域調査と継続学習
物件を購入する前に、その地域の賃貸需要を徹底的に調査しましょう。周辺の人口動態、交通アクセス、学校や商業施設の有無、競合物件の状況などを把握することで、入居者が集まりやすい物件を選べます。
また、不動産オーナーとして成功するには、継続的な学習が欠かせません。賃貸経営の基礎知識はもちろん、税制や法律の変更、市場トレンドなどについて常に情報を更新していくことが大切です。セミナーへの参加や専門書の購読なども有効です。
5-2 リスク対策と保険加入
前章で解説したさまざまなリスクに対して、事前に対策を講じておくことが重要です。特に資金面でのリスクヘッジとして、十分な予備費の確保や火災保険・地震保険への加入は必須です。
また、将来的に物件を売却するのか、子どもに相続させるのか、建て替えるのかなど、長期的な出口戦略を立てておくことで、適切なタイミングで適切な判断ができるようになります。
5-3 信頼できる相談先の確保
不動産経営では、専門的な知識が必要な場面が多くあります。信頼できる不動産会社、税理士、弁護士、建築会社などのネットワークを構築しておくことで、困ったときに適切なアドバイスを受けられます。
まとめ:不動産オーナーになるには事前の準備が重要
不動産オーナーになることは、長期的に安定した収入を得られる魅力的な選択肢です。しかし、成功するためには、十分な準備と知識が不可欠です。
特に相続資金を活用して不動産オーナーになることを検討している方は、焦らずに十分な情報収集と準備を行うことが大切です。場合によっては、不動産投資以外の選択肢も含めて、総合的に判断することをおすすめします。
不動産経営は長期的な視点が必要な事業です。しっかりとした準備と継続的な学習によって、安定した収益を生み出す不動産オーナーを目指しましょう。
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