遠方の不動産相続時は現地に行かなくても良い?空き家の対処法も解説

遠方の不動産相続時は現地に行かなくても良い?空き家の対処法も解説
執筆者: 中西孝志

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はじめに

遠方にある不動産を相続することになり、「現地に行かないと手続きができないのでは」「何度も訪問しなければならないのでは」と不安な方もいるのではないでしょうか。相続不動産が離れた地域にある場合、仕事や家庭の事情から頻繁に現地へ行くことが難しく、手続きがなかなか進まないケースも少なくありません。

本記事では、遠方にある不動産を相続する際の流れについて解説します。空き家を相続した場合の対処法も解説しているので、遠方にある不動産の相続でお困りの方はぜひ最後までご覧ください。

第1章 遠方にある不動産の相続登記は現地に行かなくてもできる

遠方にある不動産であっても、相続登記の手続きを進めるために必ずしも現地へ行く必要はありません。相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局へ申請しますが、窓口への直接提出のほか、郵送申請やオンライン申請にも対応しています。

また、相続登記に必要な書類の多くは、市区町村役場や法務局への郵送請求や、自治体によってはオンライン申請によって取得することが可能です。そのため、遠方に住んでいる場合でも、現地へ行かずに手続きを進められるケースが多いでしょう。

第2章 遠方の不動産を相続する際に困りやすいポイント

遠方にある不動産の相続は、手続き自体は現地に行かなくても進められるケースが多いものの、様々な面で負担や不便を感じやすいのが特徴です。ここでは、遠方の不動産を相続する際に多くの方が困りやすいポイントについて解説します。

2-1 相続財産や遺言書の調査のために現地訪問する必要がある

相続登記の手続き自体は遠方にいながらでも進められますが、その前段階となる相続財産の調査や遺言書の確認では、現地訪問が必要になるケースがあります。被相続人の自宅に重要書類が保管されている場合や、遺言書の存在が不明な場合には、実際に現地を確認しなければならないこともあるでしょう。また、不動産の利用状況や管理状態が分からない場合も、現地確認が必要になるかもしれません。

2-2 他の相続人と離れて住んでいると遺産分割協議などに時間がかかる

相続人がそれぞれ遠方に住んでいる場合、遺産分割協議を進める際に時間がかかりやすくなります。なぜなら、遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があるためです。近くに住んでいないと全員が直接集まることができないため、話し合いの機会を設けるだけでも負担になるでしょう。

一方で、近年は電話やオンライン会議を活用して遺産分割協議を進めるケースも増えており、必ずしも対面で話し合う必要はありません。ただし、最終的には遺産分割協議書への署名や押印が必要となるため、書類の郵送や回覧に時間がかかる点には注意が必要です。

なお、相続人全員が同じ書類に署名することが難しい場合には、各相続人が個別に遺産分割の内容へ同意したことを示す遺産分割協議証明書を作成する方法もあります。この方法を活用することで、遠方に住んでいる相続人がいる場合でも、柔軟に手続きを進めることが可能です。

また、遠方に住んでいることで意思疎通が不足し、認識のズレが生じると、協議が長期化してしまう可能性もあります。スムーズに進めるためには、早い段階から連絡手段や進め方を決めておくことが重要です。

2-3 空き家になる場合は管理が必要になる

相続財産に遠方の不動産がある場合、誰も住む人がいないと空き家になってしまいます。遠くにある不動産を管理するのは現実的ではありませんが、長期間放置すると、建物の劣化や防犯上の問題、近隣トラブル、損害賠償請求などに繋がる可能性があります。そのため、たとえ遠方にあっても、相続した以上は適切に管理する必要があります。

また、管理の負担を避けるために相続放棄を検討する方もいますが、必ずしも管理責任がなくなるとは限りません。相続放棄が受理されれば原則として相続人ではなくなりますが、その不動産を現に占有している場合は、次の管理者が決まるまで一定の管理責任が残る可能性があります。

現に占有とは、必ずしも実際に住んでいる場合だけを指すわけではありません。例えば、鍵を管理して自由に出入りできる状態にある、家財や荷物を置いたままにしている、定期的に見回りや管理を行っているなど、実質的にその不動産を支配・管理していると評価される状態を意味します。

一方で、相続放棄をしたうえで一切関与せず、管理や出入りも行っていない場合は、現に占有していると判断されないでしょう。ただし、個別の状況によって判断が異なるため、相続放棄を検討している場合は、占有に当たる状態なのかを専門家に確認しておくと安心です。

2-4 固定資産税や維持費だけが発生する

遠方にある不動産を相続した場合、実際に利用していなくても固定資産税や維持費などの負担は継続して発生します。固定資産税や都市計画税のほか、マンションであれば管理費や修繕積立金、戸建ての場合でも修繕費や庭の管理費などが必要になります。

特に遠方に住んでいる場合、不動産を日常的に利用したり管理したりすることが難しく、収益や利用がないまま費用だけが発生している状態になりやすい点に注意が必要です。

さらに、適切な管理やメンテナンスを行わないまま放置すると、建物の劣化が進み、将来的に高額な修繕費用が必要になることもあります。また、管理状態によっては固定資産税の優遇措置が受けられなくなり、税負担が増えるケースもあります。状況によっては近隣への損害により賠償責任が発生する可能性もあるため、金銭的なリスクを踏まえて早い段階で対応方針を検討することが重要です。

第3章 遠方の不動産を相続した場合の手続きの流れ

遠方にある不動産であっても、相続手続きの基本的な流れ自体は通常の不動産相続と大きく変わりません。ただし、現地へ頻繁に行くことが難しい場合は、郵送やオンラインでのやり取り、代理人の活用などを前提に進めることが重要になります。ここでは、遠方の不動産を相続する際の一般的な手続きの流れを解説します。

STEP① 相続人と相続財産の調査を行う

まずは、誰が相続人となるのかを確定するため、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などを収集します。また、不動産については登記事項証明書を取得し、所在地や名義、権利関係などを確認して、相続財産の内容を整理します。

遠方に住んでいる場合でも、戸籍謄本は郵送請求によって取得できるほか、自治体によってはオンライン申請に対応している場合もあります。ただし、全ての自治体がオンライン請求に対応しているわけではないため、事前に確認しておくと安心です。また、戸籍謄本は被相続人の本籍地の市区町村で管理されているため、現在の住所地や不動産所在地とは異なる自治体への請求が必要になるケースもあります。

登記事項証明書についてはオンラインで取得できる場合もあり、遠方であっても現地へ行かずに調査を進めることが可能です。必要に応じて、近隣に住む他の相続人や専門家に調査を依頼することで、無理なく手続きを進められるでしょう。

STEP② 遺産分割協議を行う

相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を行い、不動産を誰が取得するのかを決定します。遠方に住んでいる場合でも、電話やオンライン会議などを活用して話し合いを進めることが可能であり、必ずしも対面で実施する必要はありません。

協議内容がまとまったら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印を行います。遠方の場合は書類を郵送で回覧することが多く、全員の署名がそろうまでに時間がかかることもあるため、余裕をもったスケジュールで進めることが重要です。

また、遠方に住んでいると意思疎通が不足しやすく、認識のズレからトラブルに繋がるケースもあります。協議内容は書面で明確に整理し、必要に応じて専門家を交えて進めることで、スムーズに手続きを進めやすくなるでしょう。

なお、後から遺言書が見つかった場合、遺言の内容が優先されるため、すでに行った遺産分割協議の内容を見直す必要が生じます。そのため、相続が発生したら、自宅内の確認だけでなく、公正証書遺言の有無なども含めて、遺言書の存在を早い段階で確認しておくことが重要です。

STEP③ 必要書類の用意と登記申請書の作成を進める

遺産分割協議がまとまったら、相続登記に必要な書類を準備し、登記申請書の作成を進めます。主な必要書類としては、被相続人の戸籍謄本一式、相続人の戸籍謄本や住民票、固定資産評価証明書、遺産分割協議書などが挙げられます。

遠方に住んでいる場合でも、多くの書類は郵送請求やオンライン申請によって取得することが可能です。ただし、書類の取得先が複数の自治体に分かれるケースもあるため、必要書類を事前に整理しておくとスムーズに進められます。

また、登記申請書の記載内容に不備があると、修正のためのやり取りが増え、手続きが長引く原因になります。特に遠方の場合は、書類の再送や追加対応に時間がかかりやすいため、事前に内容を確認しながら慎重に作成することが重要です。不安がある場合は、司法書士などの専門家に依頼することで、手続きの負担を軽減できるでしょう。

STEP④ 法務局に登記申請書と必要書類を提出する

必要書類と登記申請書の準備が整ったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ相続登記の申請を行います。申請方法は、法務局の窓口へ直接提出する方法のほか、郵送申請やオンライン申請にも対応しています。遠方に住んでいる場合でも、郵送による申請や、日本国内に住む他の相続人、司法書士などの代理人を通じて申請を行うことで、現地へ行かずに手続きを進めることが可能です。

申請時には、固定資産税評価額を基準として算出される登録免許税の納付が必要になります。また、書類に不備があった場合には法務局から補正の連絡が入り、追加の対応が必要になります。遠方の場合は対応に時間がかかりやすいため、提出前に内容を確認しておきましょう。

STEP⑤ 登記識別情報通知を受け取る

申請内容に問題がなければ登記が完了し、登記識別情報通知が交付されます。登記識別情報は不動産を売却する際などに必要になるため、紛失しないよう注意して保管しましょう。

第4章 遠方の空き家を相続した場合の対処法

遠方にある不動産を相続した場合、利用する予定がないと空き家になってしまいます。空き家の管理を怠ると固定資産税が高くなったり、損害賠償請求を受けたり、犯罪に巻き込まれたりするリスクがあります。そのため、早めに対処方法を検討することが重要です。ここでは、遠方の空き家を相続した場合の対処法を紹介します。

4-1 空き家管理代行サービスを利用する

遠方に住んでいる場合、定期的に現地を訪れるのが難しいケースもあるでしょう。そのような場合におすすめなのが、空き家管理代行サービスです。

空き家管理代行サービスでは、定期巡回や換気、清掃、郵便物の確認などを行ってくれます。そのため、遠方に住んでいても一定の管理体制を維持することが可能です。建物の劣化やトラブルの早期発見にも繋がるため、すぐに売却や活用の予定がない場合は空き家代行サービスの利用を検討してみてください。

4-2 売却する

遠方に住んでいて利用予定がない場合や、管理の手間や維持費の負担を減らしたい場合は、不動産の売却を検討しましょう。不動産を現金化すれば相続人同士で財産を分割しやすくなるほか、固定資産税や維持費などの継続的な支出を抑えることにも繋がります。

なお、相続発生後すぐに売却を検討する場合であっても、原則として相続登記を完了させておく必要があります。名義が被相続人のままでは売買契約を進めることができないため、売却を検討している場合は早めに相続登記の手続きを進めておきましょう。

4-3 空き家バンクを利用する

空き家バンクとは、地域への移住希望者や購入希望者に物件情報を紹介する制度です。空き家バンクを利用すれば、一般市場では売却が難しい物件でも成約に繋がる可能性があります。地域によって制度の内容や利用条件が異なるため、利用する際は自治体のホームページなどを確認してみると良いでしょう。

第5章 遠方の不動産を相続する際は不動産会社に相談しよう

遠方にある不動産の相続では、「現地へ行けない」「管理が難しい」「手続きの進め方が分からない」といった悩みを抱える方も少なくありません。相続手続き自体は郵送やオンライン、代理人を通じて進めることが可能ですが、個人で対応しようとすると時間や手間が大きくなりやすいのが実情です。

特に不動産の相続では、相続登記だけでなく、空き家の管理や売却、将来的な活用方法の検討など、複数の判断が必要になります。遠方に住んでいると現地の状況を把握しにくく、適切な判断が難しい場合もあるでしょう。そのため、遠方の不動産を相続する際は、不動産会社や司法書士に相談しながら進めるのがおすすめです。 

住まいの賢者では、司法書士法人と連携する不動産会社として、相続登記から売却までをトータルでサポートしています。無料相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

遠方にある不動産であっても、相続登記などの手続きは郵送やオンライン、代理人の活用によって現地へ行かずに進められる場合があります。ただし、相続財産の調査や遺産分割協議、空き家の管理など、遠方だからこそ手間や費用がかかりやすい点には注意が必要です。

利用予定がない場合は、管理体制の整備や売却なども含めて早めに対応方針を検討することが重要です。遠方の不動産相続で不安がある場合は、不動産会社や司法書士などに相談しながら無理のない方法で手続きを進めていきましょう。

住まいの賢者では、司法書士法人と連携する不動産会社として、遠方の不動産を相続された方のサポートを行っています。相続登記や相続後の管理でお悩みの方は、ぜひ無料相談にお越しください。

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この記事の執筆者

中西 孝志(なかにし たかし)

中西 孝志(なかにし たかし)

株式会社あんしんリーガル 宅地建物取引士/FP2級技能士/損害保険募集人

約20年の実務経験を活かし、お客様の潜在ニーズを汲み取り、常に一方先のご提案をする。お客様の貴重お時間をいただいているという気持ちを忘れず、常に感謝の気持ちを持つことをモットーとしている。

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