高齢の親の一人暮らしが心配!リスクと今すぐできる対策

高齢の親の一人暮らしが心配!リスクと今すぐできる対策
執筆者: 中西孝志

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はじめに

高齢の親が一人暮らしを続けていると、「体調を崩していないか」「安全に生活できているか」と不安を感じる方は多いのではないでしょうか。特に、70歳を超えてくると、どのタイミングまで一人暮らしを続けられるのか気になる方も少なくありません。

一般的に、一人暮らしを続けられるかどうかは年齢だけで判断できるものではなく、健康状態や生活能力、周囲のサポート環境によって大きく異なります。ただし、加齢に伴って体力や判断力が低下することで、病気や怪我の発見が遅れたり、詐欺被害に遭ったりするリスクは徐々に高まっていくのが実情です。

さらに、親の一人暮らしに関する問題は、生活面の不安だけではありません。親が住んでいる実家は、将来的に空き家となる可能性があり、管理の手間や資産価値の低下、さらには相続時のトラブルに繋がることもあります。

そのため、「まだ大丈夫」と判断して何も対策を講じないままでいると、いざというときに対応が難しくなるケースも少なくありません。重要なのは、親の状況や今後の生活を踏まえ、早い段階で対策や方向性を検討しておくことです。

本記事では、高齢の親が一人暮らしを続けるリスクや、放置することで起こり得る問題、今からできる対策などについて解説します。

第1章 高齢の親が一人暮らしを続けるリスク

高齢の親が一人暮らしを続けるリスクは以下の通りです。

1-1 病気や怪我などの発見が遅くなる

一人暮らしの場合、体調の変化や怪我があっても周囲がすぐに気づくことができません。日常的に誰かと顔を合わせる機会が少ないため、異変が起きても発見が遅れてしまう可能性があります。

例えば、転倒による骨折や軽い脳梗塞などは、初期段階で適切な対応ができれば重症化を防げるケースもあります。しかし、一人暮らしではその場で助けを呼べなかったり、しばらく動けなくなったりすることで、発見までに時間がかかってしまうでしょう。

さらに、日常的な会話や接触が少ない環境では、体調不良だけでなく認知機能の低下にも気づきにくくなります。家族が定期的に様子を確認していれば早期に異変に気づける可能性がありますが、一人暮らしの場合はそうした変化が見過ごされやすくなります。

1-2 家の管理が難しくなる

高齢になると、日常生活の中で行っていた家の管理が徐々に負担になっていきます。掃除や片付けといった基本的な家事だけでなく、設備の点検や修繕といった細かな対応も難しくなるケースが少なくありません。

例えば、電球の交換や脚立を使った作業は転倒のリスクが伴うため、思うように対応できなくなるでしょう。また、水回りの不具合や外壁の劣化なども、「まだ大丈夫だろう」と後回しにしてしまい、結果として状態が悪化してしまうこともあります。

さらに、庭の手入れやゴミ出しといった日常的な管理も負担となり、次第に生活環境が乱れてしまいます。室内に物が溜まりやすくなったり、清掃が行き届かなくなったりすることで、転倒や火災などのリスクが高まる点にも注意が必要です。

1-3 薬の管理が難しい

高齢になると、持病の治療などで複数の薬を服用するケースが増えますが、一人暮らしの場合はその管理をすべて自分で行う必要があります。そのため、飲み忘れや飲み間違い、重複して服用してしまうといったリスクが生じます。

例えば、「朝と夜で薬が違う」「食後に飲む必要がある」といった細かなルールがある場合、体調や気分によって服用を忘れてしまうかもしれません。また、「飲んだかどうか分からなくなり、もう一度飲んでしまう」といったケースもあるでしょう。

認知機能が低下している場合には、こうしたミスに自分で気づくことが難しくなります。薬の管理が適切に行われないことで、症状の悪化や副作用のリスクが高まる可能性があります。

1-4 犯罪に巻き込まれやすい

高齢者の一人暮らしは、詐欺や悪質な訪問販売などのターゲットになりやすいといわれています。特に、「一人で生活している」「相談できる相手が近くにいない」といった状況は、外部から見ても狙われやすい要因となります。

例えば、電話や訪問による詐欺では、「今すぐ対応が必要」と不安をあおることで冷静な判断を難しくさせ、高額な金銭をだまし取るケースも少なくありません。また、不要なリフォーム契約や高額商品の購入を勧められるなど、日常生活の中で被害に遭うリスクもあります。

さらに、防犯対策が十分でない住宅では、不審者の侵入リスクも高まります。戸締まりの習慣が不十分になっていたり、設備の老朽化によって防犯性能が低下していたりする場合には、より注意が必要です。

第2章 親一人の実家を放置することで起こる問題

ここでは、親が一人暮らしをしている実家を放置することで起こりやすい主な問題について解説します。

2-1 親が住まなくなると実家が空き家になる

親が施設へ入居したり、亡くなったりした場合、それまで住んでいた実家が空き家になる可能性があります。特に事前に何も準備をしていないと、「誰も住まない状態」が長期間続いてしまうケースも少なくありません。

空き家は、人が住んでいないことで劣化が早く進みやすくなります。換気や清掃が行われないことで湿気がこもり、カビや害虫が発生したり、設備の不具合に気づけなかったりすることもあります。

また、空き家の状態が続けば、近隣トラブルに繋がりやすいでしょう。庭木の越境や景観の悪化、不審者の侵入などが問題となるケースもあり、放置しておくことは大きなリスクとなります。

2-2 遠方だと管理・対応が難しくなる

親と離れて暮らしている場合、実家の管理やトラブルへの対応が難しくなります。なぜなら、物理的な距離があることで、日常的な様子の確認や、緊急時の対応がすぐにできないためです。仕事や家庭の都合で頻繁に帰省できない場合、小さな変化や問題に気づくことが遅れてしまう可能性があります。

例えば、実家の設備に不具合が発生した場合でも、現地に行かなければ状況を正確に把握できません。また、近隣トラブルや空き家に関するクレームが発生した場合にも、すぐに対応できないことで問題が大きくなってしまうケースもあります。

2-3 資産価値が下がる可能性がある

実家が適切に管理されていない状態が続くと、不動産としての資産価値が下がる可能性があります。なぜなら、住宅は人が住まなくなることで劣化が進みやすく、建物の状態が悪化するほど、売却時の評価にも影響が出るためです。

例えば、水回りの劣化や外壁・屋根の傷みなどは、放置することで修繕費用が高額になるだけでなく、内覧時の印象を悪くし、買い手が付きにくくなる要因にもなります。その結果、想定よりも低い価格でしか売却できないケースも少なくありません。

さらに、空き家の期間が長くなるほど老朽化は進み、場合によっては解体が必要になることもあります。このような場合、売却時に解体費用が発生し、手取り額が減少する可能性もあります。

また、万が一、親が亡くなってから発見までに時間がかかってしまった場合には、事故物件として扱われる可能性もあります。こうしたケースでは、心理的な抵抗感から買い手が付きにくくなり、売却価格が大きく下がることもあるため注意が必要です。

第3章 高齢の親の一人暮らしが心配な場合の対策

ここでは、高齢の親の一人暮らしが心配な場合に今からできる主な対策について解説します。

3-1 日頃から親の希望を確認しておく

親の一人暮らしについて考える際は、まず本人の意思や希望を確認しておくことが重要です。どのような暮らしを続けたいのか、将来的にどのような選択を考えているのかを共有しておくことで、いざという時の判断がスムーズになります。

例えば、「できるだけ長く自宅で暮らしたい」「将来的には施設への入居も検討している」など、親の考えをあらかじめ把握しておくことで、家族としての対応方針も決めやすくなります。

また、実家の扱いについても事前に話し合っておくことが大切です。売却するのか、誰かが住むのか、賃貸として活用するのかなど、方向性を共有しておくことで、相続時のトラブルを防ぐことにも繋がります。

こうした話題は切り出しにくいと感じるかもしれませんが、状況が深刻化してからでは冷静に話し合うことが難しくなる場合もあります。早い段階でコミュニケーションを取っておくことが、将来の安心につながる重要な対策と言えるでしょう。

3-2 見守りサービスなどを活用する

親の一人暮らしに対する不安を軽減する方法の一つとして、見守りサービスの活用が挙げられます。日常的に離れて暮らしている場合でも、外部のサービスを利用することで、一定の安心感を得ることが可能です。

例えば、センサーやカメラを用いて生活状況を確認できるサービスや、一定時間動きがない場合に通知が届く仕組みなどがあります。また、定期的に電話や訪問を行うタイプのサービスもあり、状況に応じて選択することができます。見守りサービスを利用することで、万が一の異変にも早く気づける可能性が高まり、離れて暮らしていても親の様子を把握しやすくなります。

3-3 サービス付き高齢者向け住宅に住む

親の一人暮らしに不安がある場合は、サービス付き高齢者向け住宅への住み替えを検討することも一つの選択肢です。生活の自由度を保ちながら、見守りや生活支援を受けられる点が特徴です。

サービス付き高齢者向け住宅では、安否確認や生活相談などのサービスが提供されており、日常的にスタッフが関わることで、万が一の異変にも気づきやすくなります。食事の提供や家事支援などが付いている施設もあり、一人暮らしに比べて安心して生活できる環境が整っています。また、一般的な介護施設と比べて、自立した生活を前提としているケースが多く、「できるだけ自分のペースで暮らしたい」という方にも適しています。

第4章 高齢の親の一人暮らしを解消するための選択肢

ここでは、高齢の親の一人暮らしを解消する主な選択肢について解説します。

4-1 同居する

親と同居することで、日常的に様子を確認できるようになり、体調の変化や異変にも早く気づけるようになります。また、食事や生活面のサポートを直接行えるため、安心して暮らせる環境を整えやすい点が大きなメリットです。さらに、家族とのコミュニケーションが増えることで、孤独感の軽減にも繋がります。精神的な安心感を得られる点も、同居の利点と言えるでしょう。

4-2 介護施設や高齢者向け住宅に入居してもらう

親の一人暮らしに不安がある場合、介護施設や高齢者向け住宅への入居を検討することも有効な選択肢です。日常的にスタッフによる見守りやサポートを受けられるため、安全面の不安を軽減できます。

例えば、介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、安否確認や生活支援、必要に応じた介護サービスが提供されており、体調の変化にも早く対応できる体制が整っています。食事の提供や家事のサポートなども受けられるため、日常生活の負担を軽減できる点も大きなメリットです。

また、同年代の入居者との交流があることで、孤独感の軽減や生活の充実につながるケースもあります。一人暮らしに比べて、安心して過ごせる環境が整っていると言えるでしょう。

第5章 空き家になる不動産はどうする?

親が施設へ入居したり同居を選択した場合、それまで住んでいた実家が空き家になる可能性があります。ここでは、空き家になる不動産の扱い方について見ていきましょう。

5-1 適切に管理して維持する

実家をすぐに手放さず保有し続ける場合は、定期的な管理が欠かせません。具体的には、換気や通水、清掃、庭の手入れなどを行い、建物の劣化を防ぐ必要があります。

また、長期間放置すると外観の悪化や害虫の発生などにより、近隣住民とのトラブルに繋がる可能性もあります。特に遠方に住んでいる場合は、自身での管理が難しくなるため、空き家管理サービスや管理会社への委託を検討するのが望ましいでしょう。

5-2 売却する

今後その家に住む予定がない場合は、売却して現金化することも有力な選択肢です。維持費や管理の手間から解放されるだけでなく、資産価値が下がる前に手放せるというメリットがあります。

特に、建物の状態が良いうちや、空き家になってから期間が短いうちに売却することで、より良い条件で売れる可能性があります。そのため、売却を検討する場合は、できるだけ早い段階で不動産会社に相談し、査定や市場状況を確認しておくことが重要です。

5-3 賃貸に出す

立地や物件の状態によっては、賃貸として活用することも可能です。入居者が決まれば家賃収入を得られるため、資産を活かしながら保有し続けることができます。

一方で、賃貸経営には入居者対応や修繕対応などの管理が必要となるため、手間やコストがかかる点には注意が必要です。また、空室期間が長くなると収益が安定しないリスクもあります。そのため、賃貸として活用する場合は、需要の有無や収支の見通しを事前に確認し、必要に応じて管理会社の利用も検討すると良いでしょう。

まとめ

高齢の親が一人暮らしを続ける場合、病気や怪我の発見の遅れや、家の管理負担、犯罪リスクなど、様々な不安が伴います。さらに、こうした状況を放置してしまうと、実家の空き家化や資産価値の低下、相続時のトラブルといった問題へと発展する可能性があります。そのため、見守りサービスの活用や住み替えといった生活面の対策だけでなく、実家となる不動産をどのように扱うかについても、早い段階から検討しておくことが重要です。

特に、今後その家に住む予定がない場合は、売却も含めて検討することで、管理の負担や将来のトラブルを大きく減らすことができます。不動産は時間の経過とともに劣化が進み、空き家の期間が長くなるほど売却条件が不利になるケースも少なくありません。

そのため、「まだ大丈夫」と感じている段階であっても、一度不動産会社に相談し、現在の価値や売却の可能性を把握しておくことが大切です。早めに動くことで、より良い条件での売却や、状況に合った選択肢を検討しやすくなります。親の安心した暮らしと、大切な資産を守るためにも、将来を見据えて不動産の活用方法を整理し、必要に応じて売却も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

住まいの賢者では、司法書士法人と連携する不動産会社として、相続や不動産に関するお悩みに対応しています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

一人暮らしの親に関してよくある質問

ここでは、一人暮らしの親に関してよくある質問に回答します。

一人暮らしが難しくなってきたと判断する基準はありますか?

明確な年齢の基準はありませんが、日常生活の中で「これまでできていたことが難しくなっている」と感じる場面が増えてきた場合は、一人暮らしの継続を見直すサインと言えます。例えば、転倒が増えた、薬の管理ができなくなってきた、部屋の片付けが難しくなっている、同じ話を繰り返すことが増えたといった変化が見られる場合には注意が必要です。

また、近隣トラブルや詐欺被害に遭いそうになった経験がある場合も、判断力の低下が影響している可能性があります。このような変化が見られた際は、見守りの強化や住み替えなどを含めて、生活環境の見直しを検討することが重要です。

親が一人暮らしを続けたいと言った場合はどうすればよいですか?

親本人が一人暮らしを希望する場合でも、頭ごなしに否定するのではなく、まずはその理由や不安を丁寧に聞くことが大切です。そのうえで、見守りサービスの導入や定期的な連絡など、できる範囲で安全性を高める対策を取りながら、将来的な選択肢についても少しずつ話し合っていくことが望ましいでしょう。

実家をすぐに売却しないといけませんか?

必ずしもすぐに売却する必要はありませんが、今後住む予定がない場合は、早めに検討しておくことが重要です。不動産は時間の経過とともに劣化が進み、空き家期間が長くなるほど売却条件が不利になる可能性があります。そのため、「いつか売るかもしれない」と考えている場合でも、事前に査定を受けるなどして状況を把握しておくと安心です。

この記事の執筆者

中西 孝志(なかにし たかし)

中西 孝志(なかにし たかし)

株式会社あんしんリーガル 宅地建物取引士/FP2級技能士/損害保険募集人

約20年の実務経験を活かし、お客様の潜在ニーズを汲み取り、常に一方先のご提案をする。お客様の貴重お時間をいただいているという気持ちを忘れず、常に感謝の気持ちを持つことをモットーとしている。

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